相続承認と放棄の効果と手続きについて(撤回はできる?) | さいたま市 OBI行政書士事務所

query_builder 2021/01/06
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相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産上の一切の権利義務を当然に承継します。


また、相続人には、相続を承認するのか、放棄するのかを自由に選択(意思表示)できる権利も与えられています。



次の3種類の意思表示が可能


① 単純承認:

※無制限に被相続人の権利義務を承認する


※被相続人の遺産をプラスの(積極)財産も負債もすべて相続することを単純承認といいます。


※単純承認の効果

相続人が単純承認したときは、無限に被相続人の権利義務を承継します。〔民法第920条〕


つまり、「相続財産」で「相続債務」を全て弁済できないときは、相続人が自己の財産で弁済しなければならないのです。


※単純承認の手続き

単純承認する場合は、特別な手続きは必要ありません。


※法律上当然に単純承認とみなされる場合

〔民法第921条=法定単純承認〕


  ①相続人が相続財産の全部または一部を処分したとき


  ②相続人が3ヶ月の熟慮期間内に限定承認または相続放棄をしなかったとき


  ③相続人が限定承認または相続放棄後でも、相続財産の全部または一部を隠匿し、私にこれを消費し、または悪意で財産目録を記録しなかったようなとき




② 限定承認:

※相続によって得たプラスの財産(積極財産)の限度だけ、被相続人の債務と遺贈の義務を負担する


※限定承認は、借金が遺産より多いかどうか不明の場合に有効な手段です。

限定承認を行うと、相続人は遺産の清算を行い、プラスの財産が残れば相続できますし、マイナスとなった場合には弁済する必要がなくなります。


※限定承認の効果

相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ、被相続人の債務および遺贈を弁済することを留保して、相続を承認することができます。〔民法第922条〕


※限定承認の手続き

相続人が限定承認をしようとするときは、3ヶ月の熟慮期間内に財産目録を調製してこれを家庭裁判所に提出し、限定承認する旨を申述しなければなりません。〔民法第924条〕


また、相続人が複数人いるときは、共同相続人の全員が共同してのみ、限定承認をすることができます。〔民法第923条=共同相続人の限定承認〕


一部の相続人の限定承認を認めると、相続財産をめぐる法律関係が極めて煩雑となることを避けるためです。




③ 相続放棄:

※はじめから相続人にならなかったことにする


※遺産が債務の方が多い(債務超過の)場合や、共同相続人の1人だけに相続させたい場合等に、相続人は自由に相続を放棄できます。 



※相続放棄の効果 

相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされます。〔民法第939条〕 


また、放棄した者の子が代襲相続することもありません。

そして、遺産分割とは違い、誰に対しても対抗要件を備えることなく効力を生じます。 

つまり、相続分は、放棄者を相続人に含めないで計算すればよいことになります。 



※相続放棄の手続き

相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所へ申述しなければなりません。〔民法第938条〕 


この手続きは、相続人が自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内にしなければなりません。

相続放棄は、単独(1人)でできます。 


ただし、事情がある場合には、家庭裁判所に申し出て、期間を延長してもらうことができます。 





「承認・放棄をすることのできる期間」

相続人は、自身が相続人となったことを知ったときから3か月の以内に、単純承認、限定承認、または相続放棄をしなければなりません。〔民法第915条〕



承認・放棄の撤回、取り消し

相続の承認や放棄は、撤回できません。


ただし、一定期間内であれば、制限行為能力、詐欺・強迫等の理由によって取り消すことはできます。

限定承認・相続放棄の取り消しは、家庭裁判所へ申述しなければなりません。〔民法第919条〕


これは、利害関係人の立場を保護するため、一度承認または放棄をすると簡単に取り消すことはできないことを定めたものです。

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